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 ぶらり歩き   
 30. 伊豆半島を歩く (4)   平成24年4月20日
 今回は一泊二日で修善寺から下田まで歩く行程を計画した。しかし、本日の行程は標高差約700mの登りを含めて30km超の厳しいコースであるため、修善寺から湯ヶ島温泉までは路線バスを利用して湯ヶ島から七滝(ななだる)までを歩くことにした。
 
 9時にSさん、Kさんと修善寺駅で落ち会う。しかし、Sさんは孫さんと楽しく飛び跳ねたときに膝を痛めたため、バスを利用してKさんと小生とは別行動で伊豆観光に専念し、七滝の宿に先行することとなった。誠に残念ではあるが、年をとると小さな怪我や痛みが取り返しのつかない大事につながる恐れがあるので、これも良い判断とすべきである。

 Kさんと小生は9時30分発の湯ヶ島温泉・持越行きの路線バスに乗車して登り坂の道を南下する。空は厚く、重い雲で覆われ、いつ雨が降り出してもおかしくない生憎の空模様である。バスに30分ほど揺られて国道414号(下田街道)を右折し、道幅の狭い下り道となったところで乗り過ごしに気付き、湯端のバス停で慌て下車する。約400mほど狩野川の渓流を右に見ながらバスで来た道を登り、国道414号に出る。

 右下方に狩野川を眺めながら国道414号を登っていくと、新緑前の山肌に桜の薄桃色が散見できる。湯ヶ島発電所に近い道路標識には浄蓮の滝1.5kmの表示(写真13)が読み取れる。国道をすこしショートカットした道を選んで浄蓮の滝に到着する。約200段の石段を下りきると、目の前に水量豊富に流れ落ちる浄蓮の滝(写真14)が現れる。滝の両側の玄武岩の岩肌には静岡県の天然記念物に指定されているハイコモチシダ(別名ジョウレンシダ)の群生が見られる。日本ではここと熊本県にしか自生しない貴重なシダである。天気のせいか、ゴールデンウィーク前なのか観光客の数が少ないと感じながら、200段の石段を登って国道まで戻ると、滝つぼに向かって下りて来る賑やかな中国人観光客の一団と出くわす。福島原発事故から一年が経過して中国人の観光客も復活してきたようである。浄蓮の滝の入り口に建つ踊り子像を目の端に留め、国道に戻る。

 Kさんと電力不足による企業の海外流出や技術立国日本の技術力の行く末などをつれづれに語りながら、途中から一段高いところに設けられた遊歩道を歩く。後ろからの自動車を気にすることもない遊歩道に置かれたテーブルを借用して昼食を摂る。

 昼食後、遊歩道を進むと、途中に素朴な鳥居の先に山神社の可愛らしい祠(写真15)が祀られている。このような神社は静岡県内に370余り存在するそうで、かつて村人達は雨乞いや豊作を祈願したという。
 
 再び国道に戻り、天城グリーンガーデンのところから踊子歩道に入る。ふだん土に接する機会が少なくなり、整備された踊子歩道の土道の感触は足に心地よい。本谷川(狩野川源流)の渓流に沿って歩き、途中まで紅葉の名所滑沢(なめさわ)渓谷(写真16)の木立の緑と水量豊かな渓流のハーモニーを楽しむ。

写真13 浄蓮の滝 道路標識

写真14 浄蓮の滝

写真15 山神社

写真16 滑沢渓谷

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